Entries from 2020-01-26 to 1 day

枝葉考

ぴしぴしぴし と、ガラスにヒビが入るような音を立てて、こまかい木の枝が夜の曇り空の灰色の上を走ってゆく。短く細い枝の黒色が、隅々にまで丁寧にその腕を伸ばして灰色の背景を埋め尽くす。 「雪の結晶みたいじゃない? 枝の先って。」 君はそう言って、…