Entries from 2019-12-01 to 1 month

Untitled

今年が終わっても私は終わらないし、新年が来たって私は新しくなんてならない。 十二月も気づけば下旬に差し掛かっていた。日曜日、東京は今週で一番の冷え込みらしい。天気予報を確認する習慣は、少し前まではあった。降水確率100パーセント。事後的に知る…

フィクション

私、八方美人なんです。 目の前の人が切実な目で欲している言葉はすぐに判ってしまうし、あなたのお望み通りに振舞っていれば、あなたは私に依存して、私の元から去らないでいてくれるもの。 だから、あなたがショートヘアの女の子が好きだなんて何ともなし…

夢日記

眠っているとき見る夢は、滅茶苦茶だ。整合性のある夢を見たことなど、ない。ずっと覚えていたら支離滅裂な夢が現実を侵食してしまって危ないから、目が覚めたらすぐ忘れてしまうように出来てるのかしら。眠りと覚醒の狭間を漂う時には確かに生きていた夢が…

ドライアイスの詩

ねぇ私たち、始めようよ 始めたらきっと終わりだから 頭の芯まで蜜に浸して 耳を劈く振動と 冷たいほどに熱い肌の隙間 森を駆け抜ける 轟音が鳴り止んだら 無彩色の世界を持て余す 絶望を生きよう、さようなら