Entries from 2020-02-01 to 1 month

夏待ち

暖冬、ですね。 私の甘えや感傷を徹底的に殺してくれない半端な寒さなんて、憎いだけだ。 冷気が皮膚を刺す時、世界全部が自分の身体の外側に切り離されている気がする。ため息を吐けば、私と冬の境界が震えて白く染まる。抗えない寒さの中に一人でいる時、…

解剖学

浮き足立った気持ちなんていうのは、結局のところ自分大好きってちょっとでも思えるから生まれるんだ。ちょっと謎めいてて一匹狼の君が、私にだけは猫みたいに甘えてくれるのがくすぐったくて嬉しいのも、"私にだけ"だからだ。「こんな話、あなたにしか出来…

鍋の底に泡立つ気泡を見ていた ばばばばば、しゅしゅしゅしゅしゅ あなたは、愛する人の顔面が交通事故でまるきり変わってしまっても、その人と共に生きたいと思えますか あなたが言う「愛してる」が、すべて自己愛に帰結するものだとして、あなたはそれでも…

空と川と優しさ

からっぽのわたし

今の私はからっぽだ。 心身ともに、からっぽ。それは清々しいからっぽではなくて、虚しさが付きまとっている。同じからっぽでも、晴れた休日の朝に電車に乗っている時のからっぽは、とても爽快なのだ。自分はからっぽだから、身軽で、どこにでも行けると思え…