Entries from 2019-06-01 to 1 month

印象派への旅

今日、Bunkamuraの『印象派への旅』ことバレルコレクション展へ行ってきました。感想を目に見える形で残しておきたかったのでここに置いていくことにしました。 印象派の展覧会に行くのは一年ぶり。改めて印象派のやわらかな魅力を感じた。 特に川、湖、海な…

まなつのよるの

夏の夜の風は甘い。 網戸を通り越して肌を撫でる。 夢を見ているのかしらと思って飲み込んだ水が胃に冷たくて、はっとして。

記憶

夏 という字を見る度、思い出す。 眩暈のする日差し、わたがしのような入道雲、ひぐらしの鳴き声は東京では全然聞こえない、ガリガリ君の棒の木の味、校庭の砂埃、冷えすぎた教室、君の額の汗、生ぬるい夕暮れの風、花火に行こうと約束する時の高揚感、咲い…

束の間の夢

紅い提灯が列をなす。 通りには人、人、人。すれ違う人の肌が生暖かく湿っていて不快。いつもはさびれた商店街、色と人に溢れるのは、夏のこの夜だけ。 スピーカーから割れた炭坑節が流れる。提灯の紅色に、白い照明の光、ヨーヨーのピンクに、緑に、青色に…

散文

見上げても星の見えない東京 夜、ひとりで揺られる電車 低いマンションの並ぶ住宅街 眼下をゆっくり流れる窓の灯り 地上の星 東京も悪くないよ

二年半前の秋の日だったと思う。 初めて夜の東京タワーを見上げた時のことが忘れられない。 朱色にライトアップされた塔は、無機質な都会の一角で明らかに異質な空気を纏っていた。 その長い胴を見上げている時間、背後に走る車の出す騒音が消えた。聞こえな…

よる

静かにしかし確実に夜に侵入してくるそこはかとない寂しさに抵抗する術などなく ただ道端に咲き乱れる紫陽花が青から紫へと変わっていくのを見ることしか出来ない