記憶

という字を見る度、思い出す。

眩暈のする日差し、わたがしのような入道雲ひぐらしの鳴き声は東京では全然聞こえない、ガリガリ君の棒の木の味、校庭の砂埃、冷えすぎた教室、君の額の汗、生ぬるい夕暮れの風、花火に行こうと約束する時の高揚感、咲いては散る火を見る感傷、線香花火のシュルシュル、ぽとり。

 

はじめまして、さようなら

夏の向こう側で逢いましょう。