Entries from 2020-03-01 to 1 month

君が眠りにつくまで、枯れないで花達 君は僕を見つけないで、どうか夜の底まで 僕は愛する人誰からも見つからない場所へ、深く深く潜っていくよ、ひとりで どうしても逆らいたい夜の時間に、 君は一人でどこまでもゆく 白い光が差してくるまで、それもいいけ…

ヘンゼルとグレーテル

日常に染まりゆく。 ここが私の居る場所なんだと、居場所以外の場所にゆくたび強く思う。一年前の私が持ってなかったものを今の私は持っているし、一年前の私が持っていたものを今の私は失っている。二年前、三年前、四年前だっておんなじこと。私というもの…

硝子

壊れかけの人間と、壊れた関係性とが同居しているこの空間で、私は生も死も見たことがないのに、勝手にすべてをわかった気でいる。一度つまずいたら、誰もが再び歩き出せるとは限らなくて、彼が陽の光を浴びなくなって何年経つのだろう。つまずいた時から時…

#tanka (2019.7.24~2020.2.2)

青色の日々 蝉の声世界は依然美しく芝の緑よ我を慰む 生春巻きの皮の中から見た世界恋を失うぼやけた世界 ラベンダーの綺麗なスカート衝動買い良い香りのする心が欲しい あかねいろ影をたずさえ物思う口づけしたい君の瞳に 雨粒の作る輪っかのうつくしさ君の…

流動と燃焼

現在地は不明 、確かなのはこの身のみ。 流れゆく景色、視界で捉えて。 目的地は未定、足の向くまま、神頼み。 移ろいゆく話題、真実なんてなくていい。 ただこの嗅覚だけを、頼りにしてたい。 苦いコーヒー、緩慢に時間が漂う。 沈黙が研ぎ澄ます、理性と知…

正しさなんて要らない

「傷つかないで済むように賢く生きる」ことを覚えてしまったなら、十代の私の精神は本当に死んでしまうと思っている。 衝突を避けるための当たり障りのない受け答え。私たちは本当は分かり合えないということを、心のどっかでは理解してるくせに、分かり合え…

ちよこれいと

さっきから、冷蔵庫が低い呻き声を立てている。 「結局私を救うのは、言葉なのか体温なのか。」 分からないでいる。乾いたページを繰る乾燥した指先。第二関節のしわの隙間に小さな痛みが一瞬走った。これは紙で切った。切ったはずだと思い目に近づける第二…