鯨
君が眠りにつくまで、枯れないで花達
君は僕を見つけないで、どうか夜の底まで
僕は愛する人誰からも見つからない場所へ、深く深く潜っていくよ、ひとりで
どうしても逆らいたい夜の時間に、
君は一人でどこまでもゆく
白い光が差してくるまで、それもいいけど、
暗くなれば、満たされれば、温まれば、
きちんと沈んでゆくからだ
反抗的な君の心が、敵わないさと降参する時、
夜の深い暗闇は思うほど怖くなく、
君はただ優しい夜の窪みに落ちてゆくことができる
君と君のからだが子供みたいに正直で、安らかな時、
僕は僕を君に押し付けようとは思わない
ただ休息を、ただ安寧を、君にと静かに祈り、
夜の手にそれを託すとき、
僕は僕さえ要らなくなる
ただ今は、僕を責めないで欲しい
僕を強くて固い言葉で締め付けないで欲しい
嘘だと言われても構わない
夜へ、君を、見送る、プラットフォームで、僕は、踵を返し、後ろを、振り向くのはやめて、代わりに、潜るから、深海へ