Entries from 2020-07-31 to 1 day

顔のない君

蒸し暑くずるずると長引く梅雨の夜に、開いた小説に、「冬の匂い」という文字を見つけて、でもそれが全くもって嗅覚に結びつかないので悲しくなる。 「おもては冬の匂いで、街の匂い」 冬の雑踏の匂いって、どんなだっけ。夜、街路は冷たい雨に濡れて光り、…