Entries from 2019-11-14 to 1 day

いつかこぼれてゆくものたちへ

山手線、窓際に立つと、ビルの合間を縫って走る秋の陽光が時折私の片目に届いて、その度視界が黄金に鋭く染まってまぶしい。まだ正午過ぎだというのに、夕陽みたいな金色の光だ。11月の太陽は、いつだって夕陽みたいに優しくて切ない。 私たちはどうやら、手…

完璧な人へ

空を見上げる度、彼のことを思い出す。 彼は、まるで雲のようだ。遠く高く漂っていて、そうして空を漂うことの幸福にひとり満たされている。掴み所がなくて、ふわふわと幸福で。 どこにでもひょいと顔を出す。そんなところも雲みたいだ。この星のどこに居よ…