夜間飛行

微炭酸、喉を通るときにじんわり熱く、感じているのは私だけ?  慣れない刺激は五割増、遠くにあるもの八割増、くそしょうもねぇ、くそしょうもねぇ全て、憎らしくて仕方ない、名前のないものは認めてくれない社会。高層ビル、最上階のベッドの上で眠るなら、目を閉じようとも聞こえる地鳴り、これは車か飛行機か、それとも海鳴りなのかと不安が唸る。憂鬱も感傷も用法用量守って頂戴、なんて言ってんじゃねぇ、感情には飲み込まれてなんぼ、でもどっかで眺めてる冷めた自分、依存症にも孤高にも振り切れない私たち、どこへ流れ着く?  なんなら吸い込まれてみよう、こちらを睨めつけている、遠く瞬く赤いランプたちの中へ。最上階から跳んだなら、幸福も絶望もきっと最上級、上昇気流が煽る上等なコート、墜落する前に脱ぎ捨てな、記憶も未練も一緒にな、下は見るなとお前が呟くカウントダウン