ことば

思うに、「自分だけの言葉」というものは、即席で手に入るものなんかではない。

沢山の言葉に触れて、記憶に残ったそれを、使ってみる。口に出してみる。書いてみる。はじめはなんだかうまくはまらない。その言葉じゃ全然自分のこの気持ちを、この景色を、言い表せてない気がする。でも何度も使ううちに、それは自分の感情と少しずつ重なっていって、自分のものになるのだと思う。

これは外国語の習得に限った話ではなくて、だからもう、便利で使い慣れた単語ばかり並べるのはやめたらいい。小説みたいな、詩みたいな、映画みたいな文章を書くことを恥じなくていい。

中には「痛い」と誹る人もいるだろう。でも、世界は不思議で、「柔らかい言葉」を受け取るためのセンサーを持った人が確かにいるのだ。そういう人達にきちんとその言葉が、重さが、届けばいいのだ。

 

だから私はたくさんの言葉に触れて、どんどんそれを使っていきたいと思う。なんてことを、ふと思ったので書いてみた。