あさとよる

7月6日、23時30分。テレビから流れるフランス語。この空間に、まだ馴染み切っていない。

今晩は、夜通し起き続ける予定だった。それにしても時間が経つのが遅い。起きていられるだろうか。

お酒を飲みながら少し話して、二本目の映画を観る。7月7日、3時。時間がゆらゆらととけてゆく。私の意識は明瞭だった。それに反して、二人は段々と、ふわふわ落ちていくよう。

4時30分。ふと窓に目をやると、カーテンの間からは薄白い空が覗いていた。二人は眠りに落ちていた。小鳥の鳴き声。早朝に鳥の鳴き声が聞こえる漫画の描写があるけど、ほんとだったんだ。寝ようとしたけど、目が冴えて寝れない。

そういえば、いつのまにか空が白んでいた時の、夜と朝がぼやけた境界で繋がるあの感じ、前にも感じた。三年ほど前のこと。馬鹿な話をLINEで続けてるうちに、いつのまにか窓の外が明るくなっていた。鳥の鳴き声も、聞こえたかもしれない。いつもは睡眠で途切れてしまうけど、時間の流れは直線的なのだ。「一日」という単位なんて、人が作ったものさしに過ぎない。時間はどうしようもなく、あてもなく進んでいくのだ。そんなことを思った、三年前。

フクロウみたいな、変な鳥みたいな、よく家で聞いてたあの鳴き声が聞こえてきた。

大学生になってから、遅起きしかできなくなってしまった私が、久しぶりに眺めた朝だった。