もう19歳ではない私が19歳展で考えたこと
もう19歳ではない私が19歳展で考えたこと。
知人の言葉をもとに手繰り寄せたことばの記録。
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未来永劫この幸福な時が続いていくのだ、という、根拠の無い予感。
確かに触れている、手触りが、私を永遠の一瞬に閉じ込める。
おかしいな、その一瞬を思い返すとき、私の手元にそれはもう無い。
ただ、「この時は永遠だ」と私の全身を鋭く貫いた幸福の一撃が在ったことだけが、その記憶だけが、いつまでも私の胸に灯り続けている。
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夢だったのではないかと思う。
私の心にかつて、燃えるような感情が、誰かを強く求める気持ちが在ったこと。
火傷しそうなぐらいに熱い炎が、この胸に燃え盛っていたということ。
"余韻"を生きる今の私に見えるのは、橙色に染まった夕焼けだけだ。
雲間には、確かに太陽が在ったらしい。
在ったらしいけど、そこにはもう無い。在るのは、淡く揺らぐ夕焼けだけだ。
夢でも見ていたのではないかと思いながら、君の名前を口に出してみたら、それが未だにかすかな熱を持ったまま秋空にとけていって、びっくりした。
さようなら、君。
さようなら、あの日の私。
また会う日が、来るかな。